バックキャスティングの時間管理
- 今井 秀司
- 4月23日
- 読了時間: 4分
未来から逆算して、今の時間を取り戻す。
―― バックキャスティングで組み立てる時間管理術。

「毎日、時間が足りない」
「やりたいことがあるのに、目の前のことで手一杯」
「気づけば1日が終わっていて、何をしていたのか分からない」
多くの人が抱えるこの“時間の使い方”の悩みは、実は「計画の出発点」に原因があります。
目の前の業務やタスクを“片付ける”ことに追われていると、
本当にやりたいことや、未来につながる行動を後回しにしがちです。
そこで有効なのが、「バックキャスティング(未来逆算思考)」という時間の設計方法です。
バックキャスティングとは何か。
バックキャスティングとは、「実現したい未来」から出発し、
そこから逆算して現在に必要な行動や時間の使い方を設計する考え方です。
一般的な時間管理や計画立案では、今の状況から「何ができそうか」を積み上げて考える(フォアキャスティング)ことが多いですが、
それでは現状に縛られ、理想とはかけ離れた方向に進んでしまうことがあります。
一方、バックキャスティングでは、まず“未来の理想状態”を設定し、
その実現のために「いつ」「何を」「どれくらい」やるべきかを逆算して考えます。
これにより、目的のないスケジュール消化から脱却し、
「未来につながる1日1時間」を確保する時間設計が可能になります。
なぜ時間管理にバックキャスティングが有効なのか。
1.本質的に意味のある行動に時間を割けるようになる。
未来から今を組み立てると、「今のこの作業は、どこに向かっているのか」が明確になります。
“やるべきこと”ではなく、“やりたい未来のための行動”に時間を投資できるようになります。
2.優先順位の基準が明確になる。
突発的な依頼や雑務に流されるのではなく、
「これは自分の未来に関係するのか」という視点で判断できるようになります。
3.1日単位の計画がブレにくくなる。
その日のToDoリストに「未来とのつながり」があるため、行動に意味を感じやすく、継続しやすくなります。
バックキャスティングを活用した時間管理の実践ステップ。
ステップ1.理想の未来を描く。
「半年後」「1年後」「3年後」など、未来のある時点での理想の姿をできるだけ具体的に言語化します。
例:
・自分の講座で安定した月収が得られている。
・心身ともに無理なく働けている。
・週末に好きなことを学ぶ余裕がある。
ポイントは、「ありたい姿(定性)」と「達成した状態(定量)」をセットで描くことです。
ステップ2.そこに至る通過点を逆算で設定する。
「その未来を実現するには、1年後にはどうなっていたいか」
「半年後、3か月後には何を終えておく必要があるか」と、時間軸をさかのぼりながら計画を構築していきます。
ステップ3.“未来に直結する時間”をスケジュールに先に入れる。
日々のスケジュール帳に、まずは「未来のための1時間」を先に確保します。
読書、企画構想、資格勉強、健康習慣など、自分の理想に直接つながる行動に時間を割きます。
ステップ4.現在の時間の使い方を棚卸しし、調整する。
1日の行動を「未来につながる/今だけの消化/無意識の浪費」の3分類で見直し、
“未来につながらない時間”を減らす工夫を入れていきます。
実践者の声と気づき。
・「毎朝30分だけ、自分の未来計画に向き合う時間を確保したら、焦りが減った」
・「週に1回、未来の自分と“対話する時間”を入れるようにしてから、判断に軸ができた」
・「雑務で消耗することが減り、エネルギーを“未来投資”に使えるようになった」
バックキャスティングは、壮大なビジョンのための手法ではありません。
むしろ、「1日1時間の価値を上げる」ための、現実的で効果的な思考法なのです。
注意点と補足。
・未来は変わって良い。
最初に描いた理想像に縛られる必要はありません。進行とともに理想も更新されていくものです。
・未来が明確でなくても、仮のゴールで始めて良い。
「今より少し良い状態」でも構いません。行動が進むことで、未来像は自然にクリアになります。
・細かく逆算しすぎない。
週単位や月単位で十分です。柔軟性を持った時間設計にすることで、継続しやすくなります。
「時間がない」と嘆くのではなく、「何のために、どの時間を使うか」を自分で設計する。
その第一歩が、バックキャスティング思考による時間管理です。
今日という1日が、半年後、1年後の自分につながっているとしたら。
あなたはどの1時間に、何を投資しますか。
その問いかけが、時間を「消費」から「創造」に変える起点になります。
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