バックキャスティングによる目標管理
- 今井 秀司
- 4月20日
- 読了時間: 4分
未来から今をデザインする。
―― バックキャスティングと思考型目標設定のすすめ

「頑張っているはずなのに、どこか納得感がない」
「目標を立てても、現実に追われて形だけになる」
「何を目指していたのか、途中でよくわからなくなってしまう」
このような状態に陥る多くの原因は、「目標の立て方」と「考える起点」にあります。
多くの人が、今できること、今持っているものから目標を立てようとしますが、それでは制限の多い「フォアキャスティング(現実起点)」になりがちです。
本当に意味のある目標とは、「未来から今を設計する」こと。
そこで活用できるのが「バックキャスティング」という考え方です。
バックキャスティングとは何か?
バックキャスティングとは、理想の未来を先に描き、そこから逆算して今やるべきことを設計する方法です。
「いつか、こうなっていたい」「この状態を実現したい」という未来像を出発点にし、
そこから逆方向に計画をたどってくることで、現在の行動の意味とつながりを明確にします。
今できるかどうかよりも、実現したいかどうかに主眼を置くため、
自分の本音・理想・感情を含めた“本質的な目標”を描きやすくなります。
なぜ「未来起点」が有効なのか。
現実起点の目標(フォアキャスティング)は、安全ですが限界もあります。
・今できることしか考えられない。
・過去の延長線上で考えてしまう。
・本当は望んでいない目標を無理に選ぶ。
一方で、バックキャスティングは、
・自分の理想や価値観に素直になれる。
・現状に縛られず、自由に設計できる。
・迷いや中断が起きても「なぜこれを目指すのか」に立ち戻れる。
という利点があります。
バックキャスティングの実践ステップ
1.理想の未来を描く(定性+定量で)
まずは、「○年後、こうなっていたい」という未来を自由に描きます。
ここで重要なのが、定性的な状態(感情・状況・関係性)と、定量的な指標(数値・成果・達成基準)をセットで設定することです。
例:
・3年後、自分の講座で月に30万円の安定収入があり、受講者から「勇気が出た」と感謝されている
・2年後、週に3回ジムに通い、体脂肪率15%をキープしながら健康的な生活を楽しんでいる
具体的かつ定性的な「状態」と、客観的な「数値」の両方を含めることで、
目標が現実味を帯び、日々の行動に直結しやすくなります。
2.未来から逆算して通過点を設定する。
その未来を実現するには、1年後、半年後、3か月後に何ができていれば良いか。
中間目標を逆方向にたどりながら、プロセスを分解していきます。
3.今やるべき最小ステップを決める。
今日、明日、今週、何から手をつけるか?
「未来を引き寄せる一歩」として、具体的な行動レベルにまで落とし込みます。
例:
・無料セミナーの開催日程を決める。
・サービスのネーミングを決定する。
・読者アンケートを配布する。
目標設定の精度を高めるコツ
1.「〇〇な状態」と「〇〇という数値」をセットにする。
→ 感情(やりがい、誇らしさ)と成果(収益、実績)の両方を設定すること。
2.“実現できそうな目標”ではなく、“実現したい未来”を起点にする。
→ 現実ではなく理想から始めることで、意欲と創造性が高まる。
3.具体性にこだわる。
→「やせたい」より「体脂肪率〇%」
→「成功したい」より「月商〇万円を3か月維持」など、測定可能な目標に、
4.進捗評価は「通過点の確認」であり「自己否定の材料」ではない。
→ 定期的に見直し、柔軟に軌道修正を行う。
バックキャスティングは、自己決定感とつながっている。
このアプローチが優れているのは、「自分で選んでいる」という感覚が強くなることです。
自分が描いた未来に、自分の行動で近づいていく。
このプロセスは、自己効力感や自己信頼感を育てるセルフマネジメントそのものでもあります。
結果的に、モチベーションが下がりにくくなり、迷っても立て直しやすくなります。
目標とは、「現実的にできること」を列挙することではなく、
「本当に実現したい未来」を形にしていくための設計図です。
だからこそ、未来を起点に、逆算で今を組み立てる「バックキャスティング」という発想が、これからの時代の目標設定に必要不可欠です。
そしてその際には、「感情」と「数字」両方の視点を持つことが、あなたの目標を現実につなげてくれます。
あなたは、どんな未来から今を設計しますか?
ピースライフジャパンの今井によるセルフマネジメントの重要性と具体的な方法を情報発信するウェブサイトコンテンツの名称です。随時更新。