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ポジティブメンタルトレーニングとは

  • 執筆者の写真: 今井 秀司
    今井 秀司
  • 4月20日
  • 読了時間: 4分

「自分と向き合う力」がすべての土台になる

―― 6つの“感”を育てるポジティブメンタルトレーニング



頑張っているのに、どこか自信が持てない。

周囲には認められているのに、自分自身が納得できない。

やるべきことは分かっていても、気持ちがついてこない。


こうした悩みの背景には、「自己に対する感覚」が不安定になっている可能性があります。


実は、心の安定や行動のエネルギーの源には、「自己」にまつわる感覚が複雑に関係しています。


今回は、心を整えるうえで重要な6つの“感”――

自尊感情・自己受容感・自己効力感・自己信頼感・自己決定感・自己有用感

の意味と相互関係を紹介しながら、それらを整えるためのポジティブメンタルトレーニングについて考えてみましょう。




1.自尊感情(自分には価値があるという感覚)

「自分はこのままで存在していい」という自己肯定の土台です。

承認や達成を超えて、ただ“自分が自分である”ことへの安心感につながります。


自尊感情が育つと、人と比べて優れているかどうかではなく、「自分を大切にして生きていく」という視点が持てるようになります。




2.自己受容感(ありのままの自分を認める感覚)

長所も短所も含めて、「これが今の自分」と受け止める姿勢です。

完璧でなくても、自分を否定しないという心理的安全の源になります。


失敗や未熟さを責めるのではなく、「それも私の一部」と認められることが、継続力や回復力を支えてくれます。




3.自己効力感(自分にはできるという感覚)

何かをやり遂げられるという、行動への自信です。

自分が望む方向へ進んでいけるという確信が、挑戦する勇気を後押しします。


小さな成功体験の積み重ねが、自己効力感を育てる鍵になります。




4.自己信頼感(自分の選択を信じられる感覚)

選んだ道や決断に「これでいい」と思える感覚です。

外からの評価に揺れず、自分の声を信じる力が、長期的な安定と自己実現につながります。


経験や直感、価値観に基づいて自分で選び取ってきたことを、自分自身が肯定する姿勢が必要です。




5.自己決定感(自分の人生を自分で選んでいるという感覚)

誰かに決められているのではなく、「自分で選んでいる」と感じられる状態です。

この感覚は、行動の内発的な動機づけにつながり、モチベーションの持続力を支えます。


自分に選択権があると感じられるほど、人は前向きに行動しやすくなります。




6.自己有用感(自分は誰かの役に立っているという感覚)

自分の存在や行動が、誰かや社会にとって意味があると感じられること。

自己有用感は、承認欲求を超えて、生きる意味や働く喜びを支える感覚です。


感謝された経験や、誰かの笑顔につながったという実感が、この感覚を育みます。




6つの“感”はつながっている。


これらの感覚は、それぞれが独立しているようでいて、密接に影響し合っています。


たとえば、


・自己受容感が低いと、「もっと認められなければ価値がない」と思い込み、自尊感情が揺らぎます

・自己効力感が高まると、「自分はやれる」と感じられ、自己信頼感も育ちます

・自己有用感があると、「この自分でいいんだ」と感じられ、自己受容感や自尊感情も安定します


つまり、「どれか一つを育てることが、他の感覚も引き上げる連鎖」を生み出していくのです。




ポジティブメンタルトレーニングとしての実践方法


この6つの感覚を整えるために、日常でできる実践をいくつかご紹介します。


1.感謝の記録をつける。

自分の働きかけが誰かに届いた場面を振り返ることで、自己有用感が高まります。


2.「今日できたこと」を3つ書き出す。

小さな成功体験が自己効力感を支え、行動への自信につながります。


3.過去の選択を肯定的に見直す。

「当時はこう考えて選んだ」と言語化することで、自己信頼感を取り戻せます。


4.「ありのままの今の自分」を許す時間を持つ。

完璧でない部分を受け入れる習慣が、自己受容感と自尊感情の土台になります。


5.選択肢がある行動を意識的に選ぶ。

メニューを選ぶ、仕事の進め方を決める、スケジュールを自分で組むなど、

日常の中に「自分で決めた」という体験を増やすことで、自己決定感が強化されます。




自己にまつわる感覚は、見えにくく、つかみにくいものです。

しかし、それが揺らいだとき、感情も行動も大きくブレやすくなります。


だからこそ、「自分を整えること」は、あらゆる行動の土台となります。


ポジティブメンタルトレーニングは、ただ前向きな気持ちを作るものではありません。

自分という存在を丁寧に整える、静かなセルフケアの積み重ねです。


今日からひとつ、自分の中の“感”に目を向けてみてください。

その小さな問いかけが、明日の行動と心の軸を整える第一歩になるはずです。




ピースライフジャパンの今井によるセルフマネジメントの重要性と具体的な方法を情報発信するウェブサイトコンテンツの名称です。随時更新。



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