セルフコンパッションという考え方。
- 今井 秀司
- 4月18日
- 読了時間: 3分
自分を責める前に、自分に寄り添う力を
―― セルフコンパッションという新しいセルフケア

「またうまくできなかった」
「こんなことで落ち込んでいる自分が情けない」
「自分はもっと努力すべきだった」
真面目に仕事と向き合う人ほど、自分に対して厳しい言葉を投げかけてしまいがちです。
でも、どんなに頑張っていても、思い通りにならないこともあります。そんなときに必要なのは、反省や気合ではなく、「自分を思いやる力」です。
それが、セルフコンパッションという考え方です。
セルフコンパッションとは何か
セルフコンパッションとは、「困難なときに、自分に対して思いやりを向けること」。他人に優しくできるように、自分にも優しくする姿勢のことです。
「失敗しても、そんな自分を責めずに受け入れる」
「苦しいときには、自分に寄り添うように言葉をかける」
この態度を持てるかどうかが、ストレスや挫折に対する回復力に大きく影響します。
セルフコンパッションは、単なる甘やかしではありません。
感情を否定せず、現実を冷静に受け止めたうえで、自分を励ます力でもあります。
自己批判は役に立たない。
「もっと頑張れ」「この程度で落ち込むな」そういった自己批判は、やる気を引き出すように思えるかもしれませんが、実際には心をすり減らしていきます。
自己批判を続けると、失敗への恐れが強まり、挑戦ができなくなっていきます。一方、セルフコンパッションを高めた人は、失敗を経験しても早く立ち直り、再挑戦がしやすくなります。つまり、やさしさは前に進む力にもなるのです。
セルフコンパッションを実践する方法
1.自分への声かけを変える。
苦しいときには「大丈夫」「つらいけど、よくやっている」と声をかけてみてください。 親しい友人が同じことで悩んでいたら、あなたはどんな言葉をかけますか。
それと同じ言葉を、自分にも使ってみましょう。
2.完璧であることをやめる。
「できない自分」「不完全な自分」を否定せず、「それも自分」と受け止める練習をします。 人間である以上、失敗や迷いは当然のものです。
3.体の感覚に戻る。
深呼吸をする、ストレッチをする、お茶をゆっくり飲む。
そうしたシンプルな行為で、緊張した心を緩めることができます。
4.共通の人間性を思い出す。
「こんなふうに感じているのは自分だけじゃない」
苦しみは人生の一部であり、誰もが抱えていることを思い出しましょう。
孤立感が和らぎ、気持ちが落ち着きます。
がんばるために、自分をいたわる。
セルフコンパッションは、弱さではありません。むしろ、目の前の現実をしっかりと受け止め、再び立ち上がるための心の柔軟性です。
「自分を甘やかしてはいけない」と思う人ほど、セルフコンパッションを知ることで無理なく継続できる働き方や、生き方の手応えを得られるようになります。
あなたが誰かにやさしい言葉をかけられるように、あなた自身にも、やさしいまなざしを向けてみてください。
セルフコンパッションは、日々のストレスに強くなるだけでなく、自分を信じて行動できる力につながっていきます。
今日という日を終える前に、ひとつ自分に問いかけてみてください。「今の私は、どんな言葉をかけてもらいたいだろうか」その問いが、セルフケアの第一歩になるはずです。
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