10種類の認知の歪みを知る。
- 今井 秀司
- 4月19日
- 読了時間: 4分
その考え方、本当に「現実」ですか?
―― 10の認知の歪みから自分を整える視点

日常のなかで、ちょっとした出来事に強く反応してしまったり、
何気ない一言を深く引きずってしまった経験はありませんか。
感情が大きく揺れるとき、そこには「思考のクセ=認知の歪み」が影響していることがよくあります。
認知の歪みとは、物事を現実以上に否定的・極端・非現実的に解釈してしまう思考パターンのこと。
これは性格の弱さではなく、誰にでも起こりうる「自動思考のクセ」です。
ここでは、代表的な10の認知の歪みを紹介します。
自分の思考を客観的に見直すヒントとして、ぜひ活用してください。
---
1.全か無か思考(白黒思考)
物事を100か0でしか評価できず、グレーな状態を認められない傾向。
一度ミスをしただけで「自分はまったくダメだ」と極端に評価してしまう。
例:「企画書を1点だけ修正された。やっぱり自分には才能がない」
→ 失敗を部分的に受け止められれば、全体像を冷静に判断できるようになります。
2.過度の一般化
一つの失敗や否定的な出来事を「いつも」「全部」「みんな」に広げて考えてしまう。
例:「この前の商談もうまくいかなかったし、これからもきっとうまくいかない」
→ 「あの場面ではうまくいかなかった」と場面を限定することが整える第一歩です。
3.マイナス化思考(肯定の否定)
ポジティブな出来事や評価を素直に受け取らず、「どうせ偶然」「たまたま」と否定してしまう。
例:「褒められたけど、相手が気を遣っていただけだと思う」
→ 成果や努力を正当に評価し、自分の経験値として蓄積する視点が大切です。
4.心のフィルター(選択的抽出)
ネガティブな部分だけに焦点を当て、ポジティブな要素を意図的に無視してしまう。
例:「今日1日で一つだけミスした。それがすべてを台無しにした気がする」
→ 良かった点にも目を向ける訓練を通じて、バランスの取れた認知が育ちます。
5.結論の飛躍(先読み・心の読みすぎ)
根拠がないまま悪い結論に飛びついてしまう。
先読み=未来をネガティブに決めつける。
心の読みすぎ=相手の気持ちを勝手に決めつける。
例(先読み):「きっとプレゼンは失敗する」
例(心の読みすぎ):「上司はきっと私を無能だと思っている」
→ 「それは事実か、それとも思い込みか?」と自問する習慣が効果的です。
6.拡大解釈と過小評価
ミスや短所を過大に捉え、成功や長所を過小評価する思考パターン。
例:「あの場面で言葉に詰まった。もう信用されないだろう」
例:「たまたま上手くいっただけ」
→ ミスの影響を冷静に分析し、良い点も正当に評価する視点が回復への鍵です。
7.感情的決めつけ
「自分がそう感じるから、それはきっと事実だ」と判断してしまう。
例:「不安を感じるから、これは絶対うまくいかない」
→ 感情は大切なサインですが、事実とは区別して考える練習が必要です。
8.すべき思考(must思考)
「~すべき」「~でなければならない」という厳格なルールで自分や他者を縛ってしまう。
例:「私は常に冷静でなければならない」
「部下は必ず私の指示に従うべきだ」
→ 自分にも他人にも柔軟性を持たせる言葉選び(〜したい、〜できれば)が、思考をゆるめる一歩です。
9.レッテル貼り
一つの行動や失敗から、自分や他人に強い固定的な評価を与えてしまう。
例:「私はいつも優柔不断な人間だ」
「あの人は本当にいい加減だ」
→ 状況ごとの行動に目を向け、「その時どうだったか」で捉えると、思考が現実に近づきます。
10.個人化(自己関連づけ)
起こった問題の原因を過度に自分の責任だと感じてしまう。逆に、他人の問題も自分のせいだと考える。
例:「会議の空気が悪かったのは、私が発言したからかもしれない」
→ 起きた出来事を「自分の責任・他者の要因・偶然」など、構造的に分けて捉える習慣が有効です。
認知の歪みは、誰にでも起こります。
大切なのは、それに気づき、思考を見直す柔軟性を持つことです。
すぐに変えようとせず、「今、自分はこう考えているな」と一歩引いて見てみる。
その小さな気づきの積み重ねが、感情の波を和らげ、行動を変えていく力になります。
日々のセルフマネジメントにおいて、自分の思考と静かに向き合う時間を持ってみてください。
思考を整えることは、心を整えることと直結しています。
ピースライフジャパンの今井によるセルフマネジメントの重要性と具体的な方法を情報発信するウェブサイトコンテンツの名称です。随時更新。