ストレスに強い自分をつくる「日常に活かすコーピング活用術」
- 今井 秀司
- 4月24日
- 読了時間: 4分
ストレスは「敵」ではない。
―― ストレスコーピングで自分を守り、力に変える技術。

仕事で失敗したとき。
予定が詰まりすぎているとき。
人間関係にモヤモヤを感じたとき。
ストレスは、誰にとっても避けられないものです。
しかし、同じ出来事でも、「すぐ立ち直れる人」と「長く引きずってしまう人」がいます。
その違いを生むのが、「コーピング(coping)」というストレス対処行動です。
今回は、自分に合ったストレスコーピングの活用法と、セルフマネジメントとの関係について解説します。
コーピングとは何か?
コーピングとは、ストレスに直面したときに「どう対処するか」を指す心理学の概念です。
ストレスそのものを無くすことは難しくても、自分の対応力を高めることは可能です。
コーピングは、大きく以下の2種類に分けられます。
1.問題焦点型コーピング(Problem-focused coping)
ストレスの原因そのものに働きかけて解決を図る方法です。
・タスクの整理
・人に相談する。
・情報を集めて改善する。
2.情動焦点型コーピング(Emotion-focused coping)
ストレスによって生じた感情を軽減・緩和する方法です。
・気分転換
・趣味に没頭する。
・深呼吸、アロマ、音楽療法など
状況によってどちらを使うかが変わり、自分に合ったバランスを知ることが大切です。
なぜコーピングが重要なのか?
ストレスは完全には避けられません。
しかし、「ストレスを感じたあとにどう対応するか」で、
・心身の回復スピード
・行動の立て直し力
・人間関係の安定
が大きく変わってきます。
つまり、コーピング力を育てることは、レジリエンス(心の回復力)や自己効力感(自分にはできるという感覚)の土台にもなります。
自分だけの「マイ・コーピングリスト」をつくろう。
ストレス対処において最も効果的なのは、事前に対処法を準備しておくことです。
そのために役立つのが「マイ・コーピングリスト」の作成です。
例:
- 【短時間でできる】深呼吸/1分ストレッチ/好きな香りをかぐ
- 【気分を切り替える】散歩/お気に入りの音楽を聴く/コーヒーをゆっくり淹れる
- 【前向きになれる】日記を書く/成功体験を読み返す/誰かに話す
- 【根本に向き合う】やることを紙に書き出す/話し合いを申し込む/上司に相談する
このリストをスマホや手帳にメモしておき、
ストレスを感じたときにすぐ見返せるようにしておきましょう。
コーピングを強化する3つの習慣
1.「ストレスに気づく」力を鍛える。
まずは、自分がストレスを感じていることに気づくことが出発点です。
・イライラしている。
・疲れているのに休めない。
・人と話したくない。
こうしたサインを無視せず、感情にラベルを貼る習慣を持つことが、早期の対処につながります。
2.「すぐに切り替える」行動を決めておく。
考えすぎや堂々巡りに入る前に、**決めていた行動**で切り替えることが大切です。
「悩み始めたら、まず5分歩く」といったように、シンプルで確実な行動を準備しておくと効果的です。
3.「自分に合った方法」を検証し続ける。
人によって、効く方法は違います。
「これは良かった」「これは逆に疲れた」と記録しておくことで、
自分にとっての“有効な対処パターン”が見えてきます。
ストレスコーピングとセルフマネジメントの関係
セルフマネジメントは、「思考・感情・行動を自分で整える力」です。
その中でも、コーピングは「感情と行動の間をつなぐ技術」といえます。
・感情が乱れたときに立て直す。
・落ち込んでも行動に戻れる。
・人に振り回されず、反応を選べる。
これらはすべて、ストレスにどう対処できるかにかかっています。
ストレスは、誰にとっても日常の一部です。
でも、その対処法は「自分で選ぶ」ことができます。
大事なのは、「感じたら終わり」ではなく、
「感じたら、どうケアするか」を持っていることです。
ストレスと戦うのではなく、向き合い、整える。
それが、しなやかに働き、自分らしく生きるためのストレスコーピング活用術です。
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