ハーディネス「折れない心を育てる3つの力」
- 今井 秀司
- 5月26日
- 読了時間: 3分
困難をくぐり抜ける人の“心の構え”
―― ハーディネスが支える、しなやかで折れない自分。

人生や仕事には、時に避けられない困難が訪れます。
突然の環境の変化、思い通りにいかない人間関係、大きなプレッシャー――
同じような状況でも、早く立ち直る人と、心が折れてしまう人がいます。
その違いを生むのが、「ハーディネス(Hardiness)」という心理的資質です。
今回は、逆境に負けない「ハーディネス」という考え方と、
セルフマネジメントにどう活かせるかをお伝えします。
ハーディネスとは何か?
ハーディネスとは、「困難に対して粘り強く、前向きに対応できる心の耐性」を意味します。
ストレス研究の第一人者スザンヌ・コボーサが提唱した概念で、
強いストレス状況でも心身の健康を維持できる人に共通する3つの特性があるとされています。
それが以下の3Cです。
1.Commitment(関与)
自分の置かれた状況に積極的にかかわり、意味や価値を見出そうとする態度。
2.Control(統制)
困難な状況でも、「自分にはできることがある」と信じ、行動を選ぼうとする姿勢。
3.Challenge(挑戦)
変化や困難を避けるものではなく、「成長のチャンス」として受け止める考え方。
これら3つの心構えを持つ人は、たとえ困難な状況でも自分の人生の主導権を手放さず、
行動し続ける力を持っているのです。
ハーディネスが高い人の特徴
ストレスを感じにくく、感じても早く回復できる。
状況を冷静に捉え、感情に流されず判断できる。
「何ができるか」を常に探し、実行に移す。
他人や環境のせいにせず、自分の意思で未来を選ぶ。
プレッシャーの中でも、意味や学びを見出せる。
つまり、ハーディネスは単なる“我慢強さ”ではなく、
「自分の考え方や行動を柔軟にコントロールできる力」ともいえるのです。
ハーディネスを育てるための実践方法
1.関与:毎日「意味のあること」を記録する。
仕事でもプライベートでも、「今日やったことで意味を感じたこと」を1日1つ書き出す習慣を持つ。
自分の行動に価値を見出す力が、関与感を育てます。
2.統制:「自分ができることリスト」を作る。
ストレスを感じたとき、「今自分にできることは何か?」を洗い出す。
行動の主導権を取り戻す感覚を積み重ねることが、統制感を強めます。
3.挑戦:未知の体験に小さくトライする。
初めてのカフェに行ってみる。
苦手な相手に自分から話しかけてみる。
興味のあった学びに申し込んでみる。
変化に身を置くことで、「私は変化に適応できる」という感覚が育ちます。
ハーディネスとレジリエンスの違い
ハーディネスとよく似た言葉に「レジリエンス(回復力)」があります。
レジリエンスが「ダメージから立ち直る力」だとすれば、
ハーディネスは「ダメージを受けにくくする心の構え」といえます。
つまり、ハーディネスはレジリエンスの“予防的側面”を担っており、
ストレスを力に変える「思考の土台」として、日常から育てていくことができます。
人生はコントロールできないことの連続です。
だからこそ、「どう向き合うか」の心の姿勢が、私たちの強さを決めます。
ハーディネスは特別な才能ではなく、
日々の意識や習慣で育てていける“心理的な筋力”です。
関与する力。自分にできることを信じる力。変化を恐れない力。
この3つを丁寧に整えていくことで、
たとえ揺れることがあっても、折れない自分をつくることができます。
今日から、あなたのハーディネスを育てる一歩を踏み出してみてください。
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